12月16日、藤木直人アジアツアー「Naohito Fujiki Live Tour ver11.1 〜原点回帰 k.k.w.d. tour〜」はファイナルとなる上海ライブを迎えました。中国大陸において藤木さんのライブイベントは初めてだということもあって、国内外を問わず各地から多くのファンが集まりました。藤木さんの演出に合わせてファンは一斉に合唱したりコールしたりして、会場が一体となりました。
役者の顔とは違って、ステージに立つ藤木さんは自分自身に戻り、10年以上前に作った楽曲やニューシングル『Speed☆Star』の曲まで、約2時間熱唱し続けました。音楽の世界では、まるで高2で初めてギターを手にした時の少年に戻っていて、純粋にライブを楽しむ姿がありました。また、ご自身が主演した上海を舞台にした音楽劇『魔都夜曲』でも使用された中国の国民的民謡「茉莉花」を中国語で歌ったり、中国語でMCに挑戦したり、中国ファンのために誠意を尽くしました。
アンコールで「七色」と「陽のあたる場所」を歌ってライブの幕を閉じてから、会場内に残ったファンは藤木さんのデビューシングルである「世界の果て~the end of the world~」を大合唱し始めました。やがてその歌声に誘われ、藤木さんも再び登壇し「とっても楽しかったです。必ず上海に帰ってくると思います。その時はまた遊びに来てください。どうもありがとう。謝謝!」という中国ファンに向けての感謝の言葉を述べ、まさかのダブルアンコールが実現しました。心が温まるワンシーンとともに、上海ライブも大成功を収めました。
ライブ前日、VoiceVisionは藤木さんにインタビューをさせていただきました!その様子をお届けいたしましょう——
藤木さんは今年の4月、音楽劇『魔都夜曲』の取材と写真集の撮影のために上海にいらっしゃったのですが、この町についての印象はどうでしたか?
そうですね、その時初めて上海に来たんですけれども、なんか新しい部分と古い部分がすごく混在してて、魅力的で素敵な町だなと思いましたね。
『魔都夜曲』は上海を舞台にした物語なんですね。上海は昔から「魔都」と呼ばれてきたんですけど、実はこの呼び名は日本から伝わってきました。
へえ~
「魔」という字は上海の特徴をよく表しています。音楽劇では上海の「魔」を表現する曲はありますでしょうか?
そうですね、冒頭キャストが「上海、魅惑の町」っていうふうに説明するところがあるんですけれども。あとJazzの曲がすごく多くて、なんかやっぱり大人っぽいっていうか色っぽい曲が多かったので、そういう部分が上海の魅惑というか「魔」の部分とマッチしていたんじゃないかなと思いますね。
藤木さんはTVドラマ『私結婚できないんじゃなくて、しないんです』でドSで毒舌な店主・十倉誠司を演じられました。常にヒロインに容赦なく毒舌を浴びせて、スパルタ恋愛術を叩き込んでいます。十倉さんが放つ心に刺さる格言について、藤木さんご自身はどう思われますか?
もともと原作が水野敬也さんの『スパルタ婚活塾』っていうのがあるんですね。それ以前に水野さんが出されていた本を僕は持っていて、とてもファンだったんですけれども。だから、もちろんね、恋愛に対することもありますけれども、ちょっと冗談みたいな部分も(笑)多いので、世の中の女性があれを真に受けて、それを(笑)実践してもあまりうまくいかないことのほうが多いんじゃないかなってちょっと心配しているんですけど。でもなんだろうな、男の本音?がすごくストレートに出ているので、ある部分では「なるほどな」って思うこともありますね。
藤木さんは『ホタルノヒカリ』や『ラスト・シンデレラー』でもヒロインの恋愛コーチ、アドバイザー的な立場に当たる役を演じられたことがあるんですけど、日常生活ではそういう相談を受けたりはしますか?
まったくないですね(笑)。恋愛…自分の恋愛も人に相談しないし、恋愛相談を受けたこともないですね。
ー度も?
う~ん、ないな(笑)。
藤木さんは2018年1月スタートのTVドラマ『FINAL CUT』に番組司会者・百々瀬塁を演じられるとお伺いしました。以前にも復讐劇に出演されたことはありますでしょうか?
復讐劇は何回もありますけど。ちょうど一年前の同じクールに、スタッフもその時の人が多いんですけれども、草彅剛さんが主演していた『嘘の戦争』っていうドラマがありました。それも草彅剛くんが家族を殺されて、復讐をするっていう。その時は僕の兄が関わっていた事件を父親がもみ消したっていうことで、僕自身は黒幕ではなかったんですけれども、ただ自分の会社と家族を守るために僕は草彅くんと対立するっていう復讐劇がありました。今回はね、僕がキャスターを務める番組の報道によって主人公の母親が死に追い込まれたっていうことなので、直接ここで加担している(笑)黒幕みたいな役になるので、前回とはまたちょっと違う立場になるのかなと思っていますね。
ちなみに撮影は今どこまで進んでいらっしゃいますか?
ちょっと残念なことにまだ一日しか撮影に行ってないので、亀梨さんと同じシーンもまだ撮っていないんだし、これからです(笑)。
藤木さんは2005年から『おしゃれイズム』という人気トーク番組のMCを担当されてきたんですけど、いままで経験した取材ロケの中で何か印象深い出来事はありますでしょうか?
スタジオの場合はね、クリームシチューの上田さんがすごく楽しく回してくれるので、一観客となってじゃいけないんですけど、楽しく収録しているんです。ゲストの方と二人でロケをさせてもらう時もあって、そういう時は時間がたっぷりある中で、カメラが回っていない所でお話することもありますし、よりそのゲストのパーソナリティが知れて楽しいです。あとたまにね、MC三人で海外とかにロケに行って、もちろんゲストの方もいらっしゃるんですけど、なんか三人旅っていうのもすごく楽しい、たまにご褒美かなみたいな感じで(笑)楽しんで行ってますね。
藤木さんの16枚目のシングル『Speed☆Star』はデビュー時のプロデューサーである寺岡呼人さんを迎えて、約8年ぶりにタッグとなり大人のロックを創りました。お二方の間では何か面白いエピソードがあれば教えて頂けますか?
う~ん、年齢的には四歳くらいしか差がないんですけれども、寺岡呼人さんはJUN SKY WALKER(S)っていうバンドだったし、ゆずっていう二人組もプロデュースしていますし、音楽的な経験値っていうのはもう圧倒的な差があって、だから呼人さんが作ってくれた世界みたいなことがデビュー当時は大きかったんですけど。今回は久しぶりに会って話した時に、最後に呼人さんが「藤木くんってLINEやってんの?」みたいな話になって、そこでLINEのIDを交換しました。だからもっとフランクに曲を聞いて思ったことだったり、アイディアみたいなものも交換できたかなと思いますね。
この曲にエンジンの始動音を入れるのは藤木さんのアイディアだとお伺いしましたが理由はなんでしょうか?
まま、歌の世界ですよね、人生をカーレースに例えているので、キャッチーなっていうか、イントロの部分から世界観がすぐ分かるような、何かギミックが欲しいなと思いました。
ご自身の45歳の誕生日となる7月19日にリリースされるこのシングルには何か特別な意味がありますでしょうか?
誕生日にリリースしたのは本当偶然ですね。まあツアーが始まる前にいつ頃リリースしようかみたいな話で、まあ日本だと大体CDって水曜日発売なんですけど、「あれ、そういや俺の今年の誕生日って何曜日?」って聞いたら、水曜日だったので、あっこれはもう誕生日に出そうって思って。で、一番最初に寺岡呼人さんに今回お願いするってお話した時が、呼人さんの誕生日だったんですよ、それもたまたまで。なんか呼人さんの誕生日から始まって、僕の誕生日にリリースするっていう、それは…
完璧ですね。
ね~ 狙ったわけではないのに、そういうふうになったってのが不思議だなと思いましたね。
藤木さんはほぼ毎回ライブを開催する前に新曲をリリースするようにしていたそうですけど、それは、ライブで新曲を披露するためなんでしょうか?
そうですね(笑)。
そ、そっか!
ははは、そっかって。まあ、せっかくねツアーをやるんだったら、やっぱり新しい曲を、もちろんみんながね、聞きたいすでにある曲っていうのもあるんでしょうけど、違うものも提示したいなと思って、それがアルバムだったりミニアルバムだったり、今回の場合はシングルっていう形になりましたけれどもね。
ライブのセットリストはいつも藤木さんご自身が決めてるんですか?
そうですね。
どうやって決めてるんでしょうか?
どうやって?(笑)いや、自分がやりたい曲を(笑)。でも、アルバムの時とかはやっぱり新しくせっかく作ったからにはみんなに聞いて欲しいけど、アルバムの曲を全部やったらそれだけになっちゃうし、そのバランスがすごく難しいなと思ってて。まあ最近はミニアルバムが多かったし、今回はシングルなので、カップリングの曲も含めて3曲しかないので、これは全部やろう!で、今回久しぶりにライブハウスを回るので、ライブハウスでやったら盛り上がるとか、ライブハウスでやったらいいかいに思われるかなっていう曲をとりあえず挙げてみて、その中からいろいろ並び替えたりとかして決めました。
藤木さんは常にドラマ、映画、舞台、バラエティー、音楽などマルチに活躍中なんですけど、ご自身はどの方面がより好きなんでしょうか?
好き!好き?難しい質問ですね。う~ん、好きなのは自分が高校生の時にギターを初めてギタリストになりたいと思っているので、ライブをやってたら楽しいですけど。まあ、僕の音楽はそんな売れていないので、ライブだけやっていたら食えないので、ドラマも頑張ります(笑)。
最後に、中国ファンへのメッセージをお願いいたします。
中国でも日本のドラマが流れていて見てくれているっていうのを知って、すごく驚きましたし嬉しかったです。役者としての僕を知ってくれている人は多いかもしれませんけれども、今回自分のライブをしに中国に来ることができて、それも嬉しく思っています。役者の僕とは違う顔が見れると思うので、機会があったら音楽の僕にも触れて欲しいなと思います。これからも中国で流れるような面白いドラマを作りたいなと思いますので期待していてください。
どうもありがとうございました!
Photo & Text by VoiceVision声颜组
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